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2019/01/22

夫の遺した古い賃貸不動産をどうすれば?

(もう随分昔の話なので、書いても良いでしょう。)
 
 とある社長さんの奥さんからのご相談。
 社長さんの奥さんと言っても、みんなで数人の会社。で、それは親から継いだ2代目社長さん。建築関係です。
 
・・・50代で亡くなられました(おそらく、7回忌は済んでいるはず)
 
 お母様もご兄弟も専務か何かの役員。なので、毎月給料を出している。
 2代目になってからは、仕事が減って会社が回らない、というかジリ貧状態。親が作った貯金が減っている状態で、現実は、ご主人と奥さんとあと雇用人が一人か二人の会社でした。
 
 そんなジリ貧でも、私がお聞きした時点で、借金は無い状態です。
 
 
 会社資産も自己所有(会社所有)で、規模を小さくすれば充分食べていける、はずなのに、過去からのしがらみで、少しくらいなら赤字取引であっても断れない(→このあたりが2代目社長が苦労するところでしょうか?)。
 
 この奥さん、社長(ご主人)の死去と同時に、会社の整理!=取引関係・何人かの雇用人、すべて整理されました。
 遺族年金と、先代社長の残した賃貸不動産があるから、以前のように贅沢は出来ないものの、まぁまぁ悠々自適の生活。(キャッシュ的には、会社から貰っていた給料よりはもちろん減るものの、仕事をしなくても、遺族年金が入るという状態)
  
→ いや、実際にはご主人以上に頑張って会社を支えておられた奥さんだったんですよね。
 
 

●賃貸不動産をどうするか?

ご相談の本題は、少々古くなった賃貸不動産をどうするか? でありました。
 
「売却とリフォームと、どちらが良いでしょうか? 将来の相続も含めて」
 
→いろいろお話しして、結局、大規模リフォームを選ばれました。
その理由は2点あります。

 一つは、やはり相続税のからみ。賃貸の方が遙かに相続税が安くなる。
 
 二つ目は、その賃貸の最上階に自分が住んでいること。つまり、売却すると自分の居場所を探さなければならないこと。
 相続人で分割するには不便なこと(※共有名義になるであろうこと)
 
 もちろん、リフォーム資金があって、借金せずに可能であったことも重要な点です。それに立地条件も。
 
 
 しばらく経ってご連絡を頂いたとき、

「会社の整理が大変で、在庫も結構あったし。ただ、権利金が帰ってきたのは嬉しい誤算でした」
 
と言われていました。そして、三回忌が済む頃には
 
「とりあえず、生活も安定して好きなこともできるようになりました」と。
 
====
 
 ご相談自体は、何度かお会いして電話でお話しただけですが、葬儀とかその他大変だろうに、何事も一歩ずつ着実に物事を進められて、、、、
 いや~、ホントに真面目で努力家の方でありました。
 
 
 日本はこれから大廃業時代を迎えます。すなわち、どんどん、中小企業が廃業、あるいは、開店休業・シャッター通りがドンドン廃業する時代になると言われています。
 
 ・・・でも、閉店してても、それなりに資産があれば、別に「倉庫がわりに使っています」なんて方もいらっしゃる。
 
 そんな商店がますます増えるのであります。
 
(倉庫でも使っていたらまだ良いんですよ~。負動産、すなわち、出費が出ていくだけで利用価値のない不動産が増えると思います。商店でも自宅でも。。。最近話題の【空き家問題】ね、)
 
 きっと、親の歴史を胸に、将来を歩む方が増えるんだろうなぁ~、と思います。



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