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2018/10/08

退職金の運用は、ほどほどに

●退職金ほか、数千万円の損失でうつ病に

 実はこれ、もう古い話。リーマンショックの時の話ですから、約十年前の話です。
 
夫婦共働き、世帯の年金収入500万円くらいのご夫婦のうちのご主人の方の話。
 
(※当時は、年金支給引き上げの途中の頃。たしか部分年金は1年間だけだったような)
 
「株で、資産(退職金)を2倍に!」なんて思われていたのですね。実際には、毎月分配金型や世界各国新興国ファンド(BRICsファンド)などに投資。
 
 退職後からちょっとずつ株式を初めて、1年間で2割3割増えるから、どんどん株式資産を増やして行かれました。ちょうど、保険が満期になったり定期預金が満期になったりしたものをどんどん投資信託と株式へ投入。
 
 そこに、リーマンショックがやってきて、あっという間に資産は半分に!
 
 具体的な数字は聞いておりませんが、おそらく数千万円の損失。
 この後しばらく、この方はうつ病状態。【黄金の60代】がうつ病状態なのです。
 

 →【黄金の60代】~本来なら、時間もお金もそれなりにあるはず
  実際、この方、キャッシュは普通以上にあるわけですよ、
  なのに心の病

 
 

●サラリーマンの退職の現状

 最近は労働者不足から「定年延長」の声もよく聞くようになりました。
 しかし、ほとんどの企業では、まだまだ、60歳で一旦定年退職。その後は再雇用。そのときの収入は4~6割、と言う方がほとんどです。
 
 でも、一旦手にする退職金!
 今の平均で言うと2000~3000万円。これまでの勤務状況や現在の役職で増減するのは当然ですが、私が今使っている平均値は、ずばり、2400万円! 大手管理職の方で2700万円くらい。(あくまでも私の平均値としてです。もっとも、この一部を年金という分割で受け取れる場合があったり、数年据え置くなんてことができる会社もありますが。)
 
 いずれにせよ、「ある程度のまとまった原資を元に【運用!】する!」。これは、過去これまで、安全第一=定期預金のみでずっとやってこられた方には、ちょっとおいしい話。
 
 例えば、毎月分配型にすべてをつぎ込めば、毎月数万円のお小遣いは可能です♪
 
 だけど! 私が初めて投資信託を買ったのは大学生の時で、まだ昭和の終わりの時代ですが、その後バブルがはじけました。その後、ITバブルがあったり、アベノミクスがあったり、ちょっとした株のアップは時々やってきています。
 
 逆にいろいろな危機もありました。
 ロシア危機&アジア金融危機・サブプライムローンにリーマンショック・ギリシャ問題、イギリスのEU離脱問題はまだ未だに尾を引いています。ロシアのウクライナ編入やISIS問題など、直接株価に影響はしていませんが、一発触発の事態は何度もやってきています。
 
 もしこれから、何かの危機が起こったら、、、そのとき数年では戻らないでしょう。この間に、お金が必要になって
「大損が分かっていても、泣く泣く損切り! 売却・解約へ」
 
  → だから、失敗するのです。
 

●なぜ、みんな投資で失敗するのか?

 投資で上手くいったり失敗したりするのは、それはタイミングを見誤るからです。
 実に多くの人が、「退職金を手にした時が、投資のタイミング」だと錯覚するからです。
 
 是非、二つだけ考えてください。

 ・今は投資して良いタイミングか?
 ・それは余裕資金か?

 
 前者は、多少なりとも相場観を分かっている人でないと判断できません。例えば、海外取引の仕事をされていた人は、「為替相場がこんな風に動いた・これくらい動いた」、という感覚はすでにお持ちだと思います。あるいは、自社株(持株会)を持っていた人も、これまでの推移を見れば、「何となく」、変化が分かると思います。
 
 為替でも日経平均株価でも個別株式でも投資信託であっても、過去の推移グラフを見ると、それなりに変動というものが分かります。だから、定期預金とはどれくらい違うかが分かるでしょう。
 
 そしてここが、最大のポイント! グラフを見ると、少なくとも5年できれば10年の時間的余裕がほしいのですよ!
 

●「すぐに使わないお金」と、「余裕資金」は違う!

 ライフプランの面談時に、「将来のお子様の結婚は? 孫は? 家のリフォームは? 自動車買い換えは?」。このような質問をして、残るお金は、さほど無いはずです。
 これが、本当の余裕資金です。
 
 ライフプランをしっかり作れば、「こちらのお金は最低でも5年間くらい。こちらは10年間。この部分は、葬式代なので、一生死ぬまで」と、それぞれのお金の運用期間が見えてきて、それに対するリスク許容度も変わってきます。
 
 つまり、運用期間が分かる=リスクも多く取れる、ということに他なりません。
 
 しかし、もっとも大事なのは、「タイミングが合ってるか?」。
 
 普通はこの投資タイミングは分かりません。
 私だって神様ではありませんから、将来のことが分かる訳がありません。となれば、「下がったときが買い時だ!」と再投資できる余裕を残して投資しなければなりません。そうすると、ますます、最初に回せる投資金額は減少します。
 
 はっきり、言いましょう! 冒頭の前提なら1割とか2割とか。あとは、定期預金かそれに近い安全なモノにしておくのが正解です。
 そして、お金が必要になるタイミングを見計らって、早めに現金化。つまり安全資産に移すこと! これが重要です。
 

●それでもリスクを取れると言う人はご自由に

 もっとも、少々過大なリスクを取れる人というのも存在します。
 例えば、「親から贈与(遺産)がありそう」とか、「いざとなれば自宅を売りますよ(どうせいつかは田舎に帰る予定だし)」とか、「実は、子供のいない親戚に養子になります」とか、もう様々な老後の予定があります。
 
 もちろん、逆に、老後にお金がかかるパターンも様々にあります。(やっぱり多いのは、自分の介護・親の介護・そして、子供関係)
 
 いろいろなパターンがある中で、

  ~~ 退職金の運用は、ほどほどに ~~ 

とすべての場合でいうつもりはありませんが、
一般論としては、あっていると思います。
 
 むしろ、冒頭の人ではありませんが、減ったことを嘆くより、あるモノをどう使うか・どこへお金を使うのが一番有意義か、を考える方が豊かな人生になると思います。
 
  ・・・それを具体化するのがライフプラン設計です。
 
(しないよりも、する方が良いと信じているから、私はこの仕事を続けていられます。
 ちなみに、上のうつ病の人もだいぶ良くなられました。しかし、その間に失った貴重な体力、これもったいなかったなぁと感じています。)
 
 

●入社十年目の担当者からは買うな!

 
 最近とても気になっていることがあります。
 今、証券会社でも銀行窓口でも、大抵は、30歳代以下の担当者です。その上の主任クラスでも35歳。この人たち、アベノミクスで株式が2倍3倍になったことしか知りません。上で書いたような危機をほとんど知らないのです。
 昔、地価が下がるなんて思わなかった → これがバブルを引き起こしました。
 今、株が下がるなんて思わなかった → こういう人が増えているわけです。
 
 ~ ただ、まだまだ、皆さん半信半疑
   今後ひょっとして「下がるなんて思わなかった」
   という人が増えてくればバブル到来です。 ~
 
 だから、若い担当者からの勧誘・少々強引なリスク資産への勧誘は、要注意です。

 
※当事務所は、金融庁の投資顧問業の登録をしておりませんので、個別の投信や株式その他具体的な投資を勧めることはありませんし、できません。
(「リスク資産が多いですね」「やけに高い信託報酬の投資信託ですね」くらいは答えておりますが)



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