以前、知人がこれで裁判(貸し金庫を開扉するという裁判)をしてました。
兄「遺言書を取り出すから、ハンコ押せ!」
弟「財産目録を先に!」
兄「だから、開けなきゃ分からないって」
弟「なんかごまかそうとしてんだろ~」
通常の銀行の貸し金庫は、借り手が亡くなるとわかると普通は、凍結されます。というか、本人しか開けられません。(委任状で簡単に開くところもあるらしいですが、、、、銀行によるみたい。)
開扉には、相続人すべてのハンコがいるのが通常です。(これも契約にもよるらしい。事前に死後開扉委任者を決めておくという契約もあるとか)
で冒頭の知人、上のようにハンコが揃わないと開けられない。
だから裁判所命令で開けて貰った、って言う人がいました。 (詳しくは聞いていないので、他にも何かもめていたのかもしれません)
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「じゃあハンコ押すよ」という所まではこぎつけても、兄弟が遠方に住んでいるとか時間が取れないとか、開扉に立ち会えない!
もちろん、開扉して貰う人を全面的に信頼できれば結構なのですが、
「他に何かあったんじゃないか? たしか昔に金の延べ棒買ったとか言ってたぞ」
金の延べ棒以外だと、株券・債券(国債)などの有価証券とか
あとから、疑心暗鬼になるような場合は、普通は代理人を立てますね。
(例えば、弁護士さんを立てて代理人にしたりする人が多いと思います)
でも、そこまではする必要が無いときにどうするか?
最近知りました。公証人!の登場です。
公証人に頼んで同席して貰って、貸金庫の中身を確認して貰う「事実実験公正証書」というものがあるということをつい最近知ったのです。
第三者と一緒に開扉して中身を確認して貰って、文書にして貰うのがこれ。
だいたい貸し金庫の中身が何なのかなんて、死んだ本人しか知らないわけで、遺言書だけとは限りません。
ひょっとしたら、「子供の頃、家族みんな一緒の写真」とか、子供が賞を取った時の記念品が入っている場合もあるかもしれません。
「入社の記念」「退職の記念」「子供の卒業証書」「初給料での子供からのプレゼント」、、、、いわゆる金銭的価値がなくとも、本人にとってはお金に換えられない物が入っている可能性だってある。
何が入っていたか、きちんと文書にしておきたい。こんなときに公証人に頼めるらしい。
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しかしまぁ、公証人の役場、、、この文書「事実実験公正証書」、ネーミングが変です。
「実況調書」「見分調書」くらいの方が似合っている気がします。
「公証人と一緒に開けて貰ってちゃんと文書にするから(金庫の開扉の)ハンコ押して」
これ、結構使えるし、別にもめていないとしても、結構良いんじゃないかと思います。←親戚多い時とかね、どっかの旦那・嫁・子供・甥や姪に噂されたりしそうなときとか。あと、相続人が認知気味の時とかにも使えそう。
「入ってた」「入ってない」なんていうトラブルを避けられます。
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今回は、あくまでも「貸し金庫開扉時の話」であって、「遺産をどう分けるか=遺産分割協議の話」じゃないのでご注意下さい。
(でね、せっかく取り出した遺言書が、執行出来ないとかもあったり。。。。「土地は長男に」と書いてあっても、次男分の遺留分を侵害しているとか、 そもそもその土地が爺さん名義のままで(土地に対しては)相続人はもっといるとか、遺言書そのものが形をなしていないとか・・・・
ま、遺族全員が納得して遺産分割協議書にハンコ押せば済む話なんですが。
→遺言書より遺産分割協議書の方が強い! というか、遺言書どおりに分けなくても(遺族全員が納得すれば良い)、ということになってます。