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2018/11/07

●「老後、どれくらい使っても良いですか?」

●老後の生活設計のご相談

この手の質問は多いです。しかし最初のとっかかりは「老後、どれくらい使っても良いですか?」ではありません。
 
 「年金生活の税金とか健康保険料とかどれくらいですか」
 「年金を増やしたいので繰下支給を考えています」
 「小さなお店を始めようと思うのですが」
 「やっぱり、元気なうちに楽しみたいですし」
 「老後に4000万円必要とか、本当ですか」
 
どの場合でも、結局は【どれくらい使えるか】に帰着します。
 
 この手の相談では、私は最初に時間を掛けてお話をお聞きします。
 その人の人生・その人の考え方・その人の持つ将来の希望や不安。ここに時間を掛けないと、活きたお金が使えないですし、寄り添うことが出来ないと思っているからです。
 
(それと同時に、その方の考えをお聞きするのは私にとっては嬉しい時間です。いろいろなドラマをお聞きすることができるから。まるで小説にでも出てきそうなことを語るドラマのときもあるのです。)
 
 

●まずは、将来収入と支出 + 個人で用意できる資産
  (貯金・退職金・個人年金)

 相談に来られる方は、大抵は漠然としながらも「ねんきん定期便」や再雇用収入をお考えで、むしろ、ご夫婦のリタイア時期が重要になる場合も多いです。
 
 最近は共働きが多くなっていますから、「お子さんが社会人になったところで」とか「教育費の目途がつく大学3年生の時点で」とか、このタイミングで
 
 ・保険の解約  ・リタイアや短時間勤務へ変更
 
こんなことを答える場面が増えています。
 
 個人年金はかなりの方がお入りですが、大抵皆さん若い時に適当に入っていらっしゃいますので(←失礼!)、充分な人とそうでない人、教育費などのタイミングと合わない方も大勢いらしゃいます。
 だからそれをどう上手く調整するか。→FPのチカラの見せ所!
 極端な場合、「終身保険の解約や減額」を御提案することも多いです。
 
「これ、お葬式代ですよね。1000万円必要ですか? 半分解約するとかどうでしょう」
という感じです。
 
 一方で、「私たちは子供がいないので、夫婦それぞれ2000万円の保険に入っています。片方が亡くなればその保険金で老人ホームに行く予定です。」なんて、私に相談することがあるのですか? ということをお尋ねになる方もいらっしゃいました。
 ・・・いや、人にはそれぞれ、気になることがあるのですね。
 
 

●リタイア後の希望

 年金不安をはじめ、いろいろな不安が多い時代ですから、「普通に生活できればいいのですが・・・」、という消極的な言葉で始まることが多いのですが、実際に時間をかけてお聞きすると、いろいろな要望が出てきます。自分では気づいていらっしゃらない方も多いようです。
 
 ・子どもへの援助(学費・結婚・孫誕生)
 ・自分たちへのご褒美
 ・家のリフォームや建て替え、自動車などの耐久財買い換え

 
 最近、私が増やした質問に、「将来、親の介護問題は生じませんか?」があります。これは、ご両親の意向やご兄弟の考え方・生活距離などいろいろ関係しますし、まだまだみんなが元気なら想像できない場合もあります。
 
 ですが、「いざとなれば、今のマンションを売って、実家をリフォームするつもりでいます」とか、「引き取るつもりで一部屋空けています」とおっしゃる方もいます。逆に「兄が同居しているし、その家は親と兄の名義だからたぶん影響はないでしょう」なんておっしゃる方も当然多いです。
 
 びっくりしたのは、「親とは疎遠です。この目の前の3歳の子(親からすれば初孫)も、親とは会っていません」なんて方もいらっしゃいます。この方、過去に何があったのか気にはなったのですが、触れてはいけない気がしたので、スルーしてしまいました。

 まぁ、いろいろな人生ドラマがあるようで。。。。
 
 

●「資産運用した方が良いんですか?」

 この質問はとても多いです。
 アベノミクスの前、リーマンショックで株が下がった時に買っていた人は、5~7年間ほどで軽く2倍になっているはずです。低金利の銀行預金なんて目じゃありません。
 
 でも、相場物はしょせん結果論。全く経験がなくていきなり退職金投入はお勧めしていません。(リーマンショックで半分になっちゃった上に、そのせいで病気にまでなった方もいらっしゃるのです。)

 平均寿命を考えると、老後は20~30年くらいあります。当然高齢になるほどカラダのリスク(病気と介護)が出てきます。
 
 私には子供がいませんから、将来どうしようも無くなったら、姉か、あるいは年齢の順番では、姪っこに任せて、今のマンションを売ってどこかに入れる所に入れて貰うことになるのかな、と考えています。でも、私ももう50歳を越えて60歳の声が近くなってきましたから、「ひょっとすると、ある日突然、脳梗塞!」なんてこともあるのかな、と思うようになってきました。
 【おひとり様のご相談】
 これ、私がそうだからでしょうか? 一時期は、おひとり様専用のFPになろうかと思ったことさえあります。それくらい連続でおひとり様のご相談を受けたことがあるのです。いや、やっぱり相談相手がいないと大丈夫かなと不安になるでしょ(私自身、誰かに相談したい時がありますから)。
 
 ただ、平均寿命を考えると、あと30年はあります。たぶん最後の10年くらいは一人で生活できない状態になる可能性も決して低くありません。こんな突然の生活変化も考えつつ、資産運用はやっています。
 
 定年直後で元気なご夫婦の場合であれば、「まずは自分の希望で楽しむことが先決。本当の見直しは、どちらかが介護が必要になった時や亡くなったときですね」と答えることも多いです。
 
 教科書的には、年齢が高くなるほどリスク資産は減らすのが基本です。
 リーマンショックや大地震のことを考えると、さらには、日本の信用力がいつまで維持できるかと言うことを考えると、「資産運用はほどほどに」としか答えられません。
 ただし! ライフプランでキャッシュフロー表をつくると、その時そのときの「本当の余裕資金」が見えてきます。
 

●「老後に4000万円必要とか、本当ですか」

 よく銀行のチラシや雑誌などに書いてある「最低限欲しい年金 23万円」「余裕のある年金34万円」という数字は拘らない方が良いです。
 これ、冒頭に書いた、将来の収入と支出。つまり、例えば、70歳・80歳になったときに、年金額以内の生活が出来るのならそんなに必要ありません。
 ただ、自宅を売っても良い。自宅を売って小さな家でそこそこの地域に行く。
 今、京都市であっても少し離れると地価はがくんと下がります。そう言うことが出来るか出来ないか、こういう事にも関係しますし、そうなれば、子どもや兄妹の意向にも関係するでしょう。
 
 
【寄り添えられたと感じた時が最高に嬉しい瞬間】
「相談して良かったです。これで方針が決められました。一歩ずつ着々と進めていきます。」
なんて言われる時が最高に嬉しい瞬間です。
 
  

【余談-私の親の話】

 私の親は、75歳くらいのときにペースメーカーを入れました。今4個目の入れ替えをした所で、92歳です。残念なのは海外旅行に連れて行ってやれなかったこと。いや、最初のうちは体は元気だし、普通に歩けるし「大丈夫だよ」と説得していたのですが「何かあったら嫌だ」と断っていました。
 その後、大腿骨骨折で満足に歩けなくなり、逆流性食道炎で、外食にも行けなくなりました。
 そして年齢には勝てないために、救急搬送2回に、つい先日は、連絡がつかない・電話に出ないと、心配した姉が1時間かけて実家に来ると、風呂場で倒れていました。
(ここは先日、このブログでも書きましたね)
 それでも今は、とりあえず元気です。認知症の気配が無いとは言えないのですが、それでも元気です。今はヘルパーさんに平日1時間やって来て貰って料理を作ってもらったり、風呂の見守り(一応、浴槽の出入りさえ介助すれば体は動くので)をやってもらっています。
 
 



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