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「私でも賃貸経営、大丈夫ですか?」
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2018/11/06

「私でも賃貸経営、大丈夫ですか?」

●賃貸経営のご相談

 相続した土地の利用。例えば、田畑を相続してそれを宅地にして、アパートを建てたい。
 最近では、「駐車場を相続したけど半分が空いているからどうしようか」、「10室ある古いアパート、でも入居者は3室だけ」。このような相談が時々あります。
 
 新しいものを作ろうとするとやはり現金が必要です。無ければローンを借りたり、一部の土地を売却してそれを元手に、と考えます。
 さらには、自分のライフプラン。つまり退職時期や教育費がかかる時期、あるいは、自分の体調や、別の親の介護(被相続人の奥さんや、自分の配偶者の親)が重なることもあります。 ・・・だから、不安がつきないもの。
 

●将来価値を考える人が増えている

 人口減少時代だからですね。賃貸用に限らず自己居住用であっても、
「この不動産の将来価値はどうでしょうか?」とお聞きになる方が増えています。
 
 もちろん、私も将来のことは分かりません。しかし、実際にその地域を見に行ったり新築マンションならば、通常モデルルームが近くにあるのが普通なので、お客さんのふりをして見学に行ったり、正直に「私のクライアントさんがここをお考えなのですが、私の目から見てどう思うかと意見を求められているので見学に来ました」という場合もあります。
 
 私は、物件そのものも見ますが当然、将来の需給状況も考えます。離れた地域の方ならば、「その周辺の土地柄・評判はどうですか?」と聞かれる方もいらっしゃいます。
 
 あくまでも私の意見で、という前置き付きでお答えしています。その時私が考慮するのは利便性と周辺の土地状況。つまり、商業地域的にはどうかな、農地が多いけどこの農地はどうなるかな、と考えます。農地が宅地に変わるのなら将来競争相手が増えると言うことでもあり、逆に、商業地帯で発展することもありますから。
 

●賃貸経営を全くしたことがない人には勧めません

 以前、「相続で借家を相続しました」という方がいらっしゃいました。古い物件なので頻繁に修理や補修が必要。正直いくらも利益になっていない。この不動産をどうしましょうか? というご質問です。
 
 人に貸して「不労収益を」という宣伝がよくあります。持つ時代から貸す時代、なんていう事もよく書かれています。しかし、賃貸経営はけっして不労収益ではありません。かなり手間がかかります。
 
 不動産会社やりとり(自宅の横が借家という場合でない限り、家賃の数%払って管理会社を選定している方が多いでしょう)や、修理保障の費用。さらにな入居者からの苦情に突然の退去で空室リスク。
 
 部屋数が多いところでは、毎月の水道メーターの検針作業が面倒という人もいらしゃいます。というのは、これを各自治体の個別契約(各部屋にメーターをつける)と基本料金から最初の工事代まで、費用がかかりすぎるからです)
このように、かなり手間がかかるのが賃貸経営。
 
「今まで、親の不動産の管理をして給料貰っていたので、大体どんな作業やトラブルがあるかは分かっています」
「相続税が2000万円安くなるので、少々のリスクを取ってもいいですよね」
 
 私がお勧めするのは、このような場合くらい。
 
 まぁ、立地条件がよくてマンション一室くらいなら、将来価値と空室リスクと勘案して良くお考え下さい、と答えることはあります。
 特に、空室になったら親戚や子どものが住むかもしれない、親を引き取るかもしれない。このような場合です。

 賃貸経営は不労所得じゃない! 覚えておいて下さい。そして、将来価値がどうか?
 今のアパートが黒字だから次建てるアパートも黒字になるとは限りません。
 

●実は、税金問題が一番大きい

 相続税が多額にかかる方にとっては、ここでの節税メリットはあります。ある意味少々リスクを取ってでも勧めたい部分でもあります。
 
 しかし、冒頭の「相続した土地の一部を売却して、次を建てる」場合は、売却時の税金・収益中の税金・将来それがさらに相続になった時の税金。これらを考慮しないわけにはいきません。
 
 FPは、個別具体的な税金計算は税理士法で出来ませんから、ここは抽象的に書かざるを得ません。
しかしっ!
 
「工務店がアパート建てないかと勧めてきました。知り合いの税理士に聞いたらこちらも進めた方がいいよと答えを貰いました。(税務も任せて欲しいというおまけ付きで)
 でも、FPさんから見たら、どうですか?」

 
 こういう「税理士さんが言っているけど」的な質問も、決して少なくありません。
 
「相談して良かったです。これで方針が決められました。一歩ずつ着々と進めていきます。」なんて言われる時が最高に嬉しい瞬間です。



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